【自社事例】いまの景色を、江戸時代へ ― 時代風景カメラ「historia-scape」無料配布

「この景色は、むかしどんな姿だったんだろう?」——観光地や史跡を訪れたとき、多くの人が一度は思うことです。案内板の文字だけでは、失われた風景はなかなか想像できません。

AppTalentHub はミッション「未来を見せて、始める。」のもと、予算をつける前に“動くもの”を見て判断できる状態をつくることを仕事にしています。その実例として、この「見えない」を「見える」に変えるプロトタイプ ― 時代風景カメラ historia-scape(ヒストリア・スケープ) を自社開発し、ソースコードごと公開しました。本記事では、プロダクトの紹介とあわせて、導入したときに実際いくらかかるのか、そしてなぜ作り方まで無料で公開するのかをご説明します。

historia-scape とは

写真と位置情報から、その場所の歴史的な時代を判定し、いまの景色をその時代の風景に変換して見せる Webアプリです。スライダーを左右になぞることで、現在と過去を見比べられます。舞台は高松市の特別名勝・栗林公園。江戸時代の大名庭園として、武士や庭師が行き交う風景が立ち上がります。

  • アプリのインストール不要 — スマートフォンのブラウザで動作します
  • 多言語対応 — 日本語・English・Deutsch に対応し、海外からの来訪者にも届きます
  • その場所の物語 — 変換した風景とあわせて、土地の歴史を読み物として表示します
  • オープンソース(MIT) — 誰でも自由に使い、改変し、自分の街版として作り直せます

PR動画(30秒)— 自治体・観光施設向け

自治体・観光施設のご担当者向けに、現場での使われ方と導入価値(観光促進・文化財活用・教育活用)を30秒にまとめたバージョンです。落ち着いたナレーションでご覧いただけます。

historia-scape PR動画(30秒/自治体・観光施設向け)

PR動画(60秒)— 一般・SNS向け

同じプロダクトを、一般・SNS向けに明るいトーンで再構成したバージョンです。弊社の公式キャラクター「ラピットくん」が案内役をつとめ、アプリの使い方から風景が変わる瞬間までを一気に紹介します。

historia-scape PR動画(60秒/ラピットくん版)

ソースコードを公開しています(GitHub)

historia-scape は MITライセンスのオープンソースです。中身を読むことも、自分の自治体版として作り直すことも自由です。

ライブデモも公開中です。実際にスライダーを動かして、現在と江戸時代を見比べていただけます。

なぜ、作り方まで無料で公開するのか

「自社開発したプロダクトを、なぜ無料で公開してしまうのか」とよく聞かれます。理由は3つあります。

1. 時代考証は、その土地の人にしかできないから

栗林公園の江戸時代を描くには、高松藩と松平家の歴史が要ります。同じことを全国の史跡でやろうとすれば、その土地ごとの資料と、その土地を知る人の目が必要です。これは1社が全国を回って作れるものではありません。各地の方が自分たちの手で作り直せる形にしておくほうが、はるかに速く、はるかに正確なものができます。

2. 予算がつく前に、試せることが大事だから

自治体の事業は、予算化・議会・調達というプロセスを経ます。しかし「見たことがないもの」に予算をつけるのは、担当者にとって非常に難しい。だからこそ、まず動くものを無料で触れる状態にしておく必要があります。庁内の説明資料に使っていただいても構いませんし、この記事の動画をそのままご利用いただいても結構です。

3. 中身が見えることが、信頼になるから

公共の場で使うシステムでは、「写真はどこへ送られるのか」「AIは何を根拠に描いたのか」が問われます。ソースコードが公開されていれば、その答えは読めば分かります。弊社は「見える化」を掲げている会社です。自分たちのプロダクトの中身を隠したまま、それを語ることはできません。

なお弊社の事業は、ソフトウェアそのものの販売ではなく、導入設計・その土地に合わせた時代考証・常設運用・機能開発にあります。コードを公開することと、事業として成り立たせることは矛盾しません。

このアプリが画面に映すのは過去の風景です。しかし、ライブデモを触っているご担当者に見えているのは、来訪者が自分の街の史跡でスマートフォンをかざしている「導入後の未来」のはずです。予算要求の前に、その未来を具体的に見られる状態をつくる ― それが弊社の言う「未来を見せて、始める。」です。

費用シミュレーション ― 画像1枚あたり、月いくらか

導入検討で最初に聞かれるのが費用です。このアプリのランニングコストは、ほぼ「AIが画像を1枚生成するたびにかかる従量課金」で決まります。以下、前提を明示したうえで試算します。

試算の前提:画像生成1枚あたり約10円として計算します(Google の画像生成モデルを利用。単価はモデルと為替により変動するため、実際の導入時は最新の料金を確認します)。来訪者1人あたり平均2枚生成すると仮定します。

利用規模1日の生成枚数1日の費用月間の費用(30日)
小規模(1日20人が利用)40枚約400円約12,000円
中規模(1日100人が利用)200枚約2,000円約60,000円
繁忙期・イベント(1日500人)1,000枚約10,000円

「使われすぎて予算を超える」を防ぐ仕組み

従量課金でいちばん怖いのは、想定を超えて使われたときの請求です。historia-scape には費用の上限を確定させる仕組みを実装済みです。

  • 1日あたりの総生成回数に上限を設定できます(サーバー側でカウントし、上限に達したら生成を停止)。たとえば1日200枚に設定すれば、1日の費用は約2,000円で確実に頭打ちになります
  • 1台のスマートフォンにつき1日5枚までという制限も別途かけています。1人が大量に消費することを防ぎます
  • 上限に達した利用者には、エラーではなく「本日の無料体験は終了しました」という案内が表示されます

つまり「月にいくらまで」を先に決めて、そこから逆算して上限値を設定できます。予算が固定されている公共事業と相性のよい設計です。

公開デモは、何人が見ても費用0円

この記事からアクセスできるライブデモは、生成AIを一切呼び出していません。あらかじめ生成しておいた画像を配信しているだけなので、何人が閲覧しても生成費用は発生しません(サーバー費用のみ)。

これは導入時にも使える考え方です。主要スポットの風景をあらかじめ作り置きしておけば、その場所については従量課金が発生しません。「代表的な10箇所は作り置き、それ以外はその場で生成」といった組み合わせで、費用と体験のバランスを取ることができます。

導入までの流れ ― 「見る」から始める4ステップ

最初の一歩に、稟議も予算も要りません。順番に階段を上がれるようにしています。

  1. ライブデモを触る(無料・いますぐ)― この記事のデモで、現在と江戸時代を見比べてみてください
  2. 30分無料プロトタイプ相談 ― 「うちの史跡ならどうなるか」を、その場で形にしてご覧に入れます
  3. 実証実験(スモールスタート) ― 主要スポット数箇所で作り置き画像を用意し、費用上限を決めて小さく試します
  4. 常設運用 ― 時代考証の監修を反映し、多言語・上限管理込みで本運用へ

なお、位置情報を使った自社開発のプロトタイプとしては 巡拝記録アプリ「遍路ログ」 も公開しています。あわせて、この記事に出てくる「API」という言葉に馴染みのない方は APIってなに?「天気アプリ」で体験する もどうぞ。

自治体・観光施設のご担当者さまへ

historia-scape は、史跡や観光地に合わせた時代考証・データチューニング・常設運用まで含めて導入いただけます。

  • 観光促進 — 滞在時間と回遊性の向上に
  • 文化財活用 — 失われた景観の可視化に
  • 教育活用 — 郷土学習・修学旅行の教材に

「うちの城跡でも見てみたい」「予算内に収まるか試算してほしい」といったご相談を歓迎しています。まずはライブデモを触っていただき、庁内でご検討ください。

この記事を書いた人

宮崎翼

愛媛県出身・東京都在住。
国立工業高専(新居浜工業高等専門学校)卒業後、外資系ソフトウェア企業などで法人営業・IT導入支援に従事し、BtoB領域で多様な新規開拓やエンタープライズのDX推進を経験。

現在は「AppTalentHub」の理念、ノーコード/ローコードを活用したアプリ開発の標準化と、エンジニアのスキルの可視化による適正評価を実現するためのプロジェクトやコミュニティ運営に取り組んでいます。
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