非エンジニアが1ヶ月で「作る側」に|AI×ノーコード ブートキャンプ2026(香川)開催レポート

2026年5〜7月、香川県高松市のオープンイノベーション拠点「Setouchi-i-Base(セトウチ・アイ・ベース)」を会場に、かがわ県民情報サービス株式会社(e-とぴあ・かがわ)株式会社AppTalentHubは、AIエージェントとノーコードツールを使って、プログラミング未経験者が“動くアプリ”を自分の手でつくる「AI×ノーコード ブートキャンプ 2026(香川)」を開催しました。全5回+プレイベント。最終日には、受講生一人ひとりが自作アプリをデモ発表しました。本レポートでは、その1ヶ月の記録と、受講生アンケートの結果をお届けします。

AI×ノーコード ブートキャンプ2026(香川)最終発表会の集合写真
最終発表会を終えて。10代の高専生から60代まで、全員が“作る側”に回った1ヶ月でした(会場:Setouchi-i-Base/e-とぴあ・かがわ)

数字で見る成果——受講生アンケート(回答20名)

最終日(7月12日)に実施したアンケートには20名が回答。結果は次のとおりでした。

  • 満足度 100%:「講座内容」「講師の説明」「進行スピード」の3項目すべてで、全員が「満足」または「ほぼ満足」と回答(うち「満足」が95%)
  • 「自分でAIアプリを作れそう」95%:「はい!作れます!」75%、「出来そうな気がします」20%
  • 発表達成率 100%:受講生全員が最終日に自作アプリを登壇デモ
  • 延べ80点以上:アイデア・試作を含む作品が学習プラットフォームに投稿

「講座がよかった」ではなく、「これから自分で作れる」と受講生自身が答えた——ここが、この講座がいちばん大事にしていた指標です。

「見せてから始める」——説明より先に、まず形にする

本講座の設計思想は「Show First」。知識のインプットは動画教材の予習にまわし、対面の時間は「講師が実際につくって見せる → 受講生が手を動かす → 短く振り返る」に集中しました。
メンターが受講者3〜5名に1名つき、詰まったらその場で一緒に解決。だからこそ、全員が発表までたどり着ける設計です。

会場でノートPCを使い開発する受講生たち
全員がノートPCで、AIと一緒に手を動かす(会場:Setouchi-i-Base/e-とぴあ・かがわ)

開催概要

  • 主催:かがわ県民情報サービス株式会社(e-とぴあ・かがわ)
  • 企画・講師:株式会社AppTalentHub(代表取締役 宮崎 翼)
  • 期間:2026年5〜7月(全5回+プレイベント)
  • 会場Setouchi-i-Base(高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー タワー棟/情報通信交流館 e-とぴあ・かがわ内)
  • 対象:起業家・起業志望者、個人事業主、業務改善したい方、学生など(プログラミング未経験可)
  • 受講生:19名(10代の高専生から60代まで。会社員・経営者・フリーランス・NPO/団体職員・学生など、非エンジニア中心)
  • 主なツール:AIエージェント「Claude Code」、Supabase(データベース)、GitHub/Vercel(デプロイ)

会場:Setouchi-i-Base について

Setouchi-i-Base(セトウチ・アイ・ベース)は、高松シンボルタワー内の情報通信交流館「e-とぴあ・かがわ」にあるオープンイノベーション拠点です。起業・第二創業や既存企業の競争力強化につなげられるよう、人材育成、活動・交流の場の提供、ビジネスマッチング支援までを一体的に手がけ、地域経済の活性化を目指しています。コワーキングスペースや、3Dプリンター・レーザーカッターを備えた創作工房も利用できます。

Setouchi-i-Base 公式の施設紹介動画。今回のブートキャンプも、この空間で開催されました

本ブートキャンプは、この「人材育成」の取り組みの一環として開催されました。学んだ人が、そのまま相談・交流・事業化へ進める場が同じ建物の中にある—講座を“やって終わり”にしない環境が、受講後の次の一歩を支えています。

1ヶ月の歩み

  • プレイベント(5月):「AIでアプリが本当に作れる」を目撃。参加のきっかけに。
  • 第1回:講師がその場でアプリを制作するデモ → 全員が共通課題で“動くアプリ”を初完成。
  • 第2回:互いの試作を見せ合い、MVP(最小の動く形)づくりへ。
  • 第3回:セキュリティを実例で学び、デザインを整え、公開URLでアクセスできる状態へ。
  • 第4回:“動く1本”を仕上げ、本番と同じ形式で通しリハーサル。
  • 最終回:全員が登壇。「課題 → 解決策(デモ)→ 効果」の型で、自作アプリを発表。
メンターが巡回し受講生をサポートする様子
メンターが巡回し、詰まったらその場で一緒に解決する“伴走型”

最終発表会——“自分の困りごと”から始まったアプリたち

最終日は、受講生一人ひとりが登壇。「課題 → 解決策(デモ)→ 効果」の型で、実際に動くアプリを画面共有しながら発表しました。共通していたのは、どの発表も“身近な誰かの困りごと”から始まっていたことです。

最終発表会で自作アプリをプレゼンする受講生
発表は“あるある”の困りごとから語り始める。「あの石碑、なんて書いてあったっけ…」——街歩きの体験を記録・共有するアプリの提案
歯科スタッフ向け報告アプリを発表する受講生
「『で、結論は?』がなくなる」——現場スタッフの“共感”を院長の“結論”へつなぐ、歯科スタッフ専用の報告アプリ。自分の職場の困りごとが起点
香川高専の学生による成果報告のプレゼン
香川高専の学生による成果報告。10代の学生も、社会人と同じ舞台で自作アプリをデモした

生まれたアプリ——暮らし・地域・仕事の“困りごと”を、自分の手で

  • 福祉・情報保障:講演をリアルタイムに字幕化するアプリ/要約筆記者のスキル向上を支援するアプリ
  • 地域・コミュニティ:地域の「教えたい人 × 学びたい人」をつなぐマッチング&イベント管理/ボランティア運営の申込・出欠・連絡を一元化するダッシュボード
  • 教育・子育て・くらし:習い事の振り返りから親子の会話を促すアプリ/家計簿+かしこい買い物をまとめたアプリ
  • 医療・ヘルスケア:来院前の相談・案内をわかりやすくする初診ナビ/歯科医院の現場報告アプリ
  • 業務効率・経営DX:受注ファイルをAIで読み取り基幹システムへ自動登録/使いにくい社内データベースを検索しやすく刷新/経営の意思決定を支えるAIエージェント/レッスンの予約・連絡をまとめるAI秘書
  • 農業・その他:農業×AI活用 ほか

最終日までに、アイデア・試作を含め延べ80点以上の作品が学習プラットフォーム上に投稿され、全員が“動く1本”を発表しました。(※各作品の詳細は、掲載の同意をいただいたうえで、追ってご紹介します)

学習プラットフォームに並ぶブートキャンプの作品ギャラリー
学習プラットフォームに並ぶ作品の数々——歴史写真の“実写変換”、四国八十八ヶ所の巡礼ログ、需給分析ダッシュボードなど(一部は講師の完成見本)

受講生の声

最終発表会で質疑応答に答える受講生
発表後の質疑応答。作った本人が、自分の言葉で仕組みを説明できるようになっていた

自分でアプリを作ることができるという自信ができました。達成感がすごいです。宮崎先生はじめメンターの先生方がとても親切で分かりやすく本当に感謝しています。

受講生(女性)

今までハードウェアは得意としていましたが、ソフトウェアの方が大の苦手にしていました。ですが、講座で自分の力でソフトウェアの開発をできた経験はとても自信になりました。

受講生(男性)

得たものは、自分でアプリを作る力、それをもとに誰かの役に立つという考え方。最初の回から楽しかったです。自分で作れるというのが楽しい、という言葉に尽きます。

受講生(男性)

未経験でも行動をしてみる力を得たと思います。

受講生(男性)

AIでHPを作れただけでなく、他の方の制作物や交流も楽しかったです。ご縁をいただきありがとうございます。i-baseで受講した講座で一番楽しく、成果物もできて良かったです。

受講生(女性)

学生への環境構築ありがとうございました。私達高専だけではこれを行うことは不可能でした。この5回で学生の成長も著しく、非常にいい学びになりました。

受講生(男性・高専関係者)

ここで名前を挙げて感謝されているメンター陣——赤木 孝臣(ももスタ コミュニティマネージャー/瀬戸内地域のAIコミュニティ「せとうちAI」運営)と六車 紀希——は、7月25日から岡山市で始まるももスタ NoCode BootCamp 2026(夏)にも、主任講師の宮崎とともに登壇します。香川で起きたことは、同じ体制でもう一度再現されます。

受講生に起きた変化

「外注すると100万円と言われてあきらめていた」「Excelが限界だった」「アイデアはあるのに形にする手段がなかった」——そんな受講生が、最終日には自分のアプリを“動かして”デモし、AIと対話しながら自分で改良できるようになりました。アンケートで得たものを尋ねると、「AIを操る力、セキュリティ面などの知識」「0からアプリを作れる知識・自信」「アプリ開発能力、プレゼン能力」といった声が並びます。業務改善・地域活動・起業へ、それぞれの次の一歩が見えた1ヶ月でした。

次の一歩へ

アンケートの「今後学んでみたいテーマ」には、デザイン・データベース、セキュリティ、AIエージェント、フィジカルAI、そして「作ったアプリを実際に公開・アプリ化して社会に出すスキル」が挙がりました。作れるようになった人が、次に「届ける」ことを考え始めている——これが1ヶ月の到達点です。

フォローアップ期間では、受講生のアプリ改善・公開を伴走します。今後、作品が公開・成熟していくにつれ、受講生ご本人の同意のもとで個別の作品紹介も発信していく予定です。「宮崎先生の第2弾ぜひ参加したいです!」という声もいただいており、次回のブートキャンプ開催もあわせて検討しています。「作りたいものがある人」が、いちばん強い時代——あなたのアイデアも、動くアプリにしてみませんか。

この記事を読んで「自分もつくってみたい」と思われた方へ。香川と同じ内容のプログラムが、2026年7月25日(土)から岡山市・ももスタで開講します。参加無料・プログラミング未経験可・全6回。詳細とお申込みは ももスタ NoCode BootCamp 2026(夏)のイベントページ をご覧ください。

また、自治体・企業向けのAI×ノーコード研修や、内製化の伴走に関するご相談は、AppTalentHub へお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

宮崎翼

愛媛県出身・東京都在住。
国立工業高専(新居浜工業高等専門学校)卒業後、外資系ソフトウェア企業などで法人営業・IT導入支援に従事し、BtoB領域で多様な新規開拓やエンタープライズのDX推進を経験。

現在は「AppTalentHub」の理念、ノーコード/ローコードを活用したアプリ開発の標準化と、エンジニアのスキルの可視化による適正評価を実現するためのプロジェクトやコミュニティ運営に取り組んでいます。
https://tsubasa.tech/about