こんにちは、先日、自社プロダクトドメインをCloudflare Registrarで取得して、DNS設定からSSL、Google Workspaceのメール連携、さらにはサイトの公開まで一通り触ってみました。結論から言うと—「ドメインを取るなら、もうCloudflareでいいのでは?」と本気で思うほど快適でした。この記事では、国産のドメインサービスとの料金差や、つまずきやすい設定がどれだけ簡単になるかを、実体験ベースでまとめます。

まず結論:あなたが取るべきドメインはどっち?
細かい話に入る前に、いちばん大事な分かれ道から。欲しいドメインの“種類”で、おすすめの取得先が変わります。ここだけ押さえれば、あとは安心して読み進められます。
| あなたの希望 | おすすめの取得先 |
|---|---|
| 会社の信頼感を重視し、登記会社の証になる「.co.jp」が欲しい | お名前.comなど国産(Cloudflareでは取得不可) |
| 「.com」を、とにかく初年度安く取りたい | お名前.comなど国産(初年度キャンペーンが安い) |
| 「.ai」など単価が高い/長く持つドメインが欲しい | Cloudflare Registrar(原価・更新で上がらない) |
| 「.co.jp」は国産で取りつつ、管理はラクにしたい | 合わせ技:国産で取得+DNS管理だけCloudflare |
ざっくり言うと「.co.jp は国産一択」「.com を初年度安く取るなら国産のキャンペーン」「.ai のように高くて長く持つドメインなら Cloudflare」。以下では、なぜ Cloudflare がそこまで便利なのかを、実際に使った体験から5つの理由で説明します。
そもそもCloudflareって何の会社?
Cloudflareは、世界中のWebサイトの表示を速く・安全にする「CDN/セキュリティ」の世界最大手のひとつです。無料の高速DNS「1.1.1.1」を提供している会社、と言えばピンとくる方もいるかもしれません。そのCloudflareが、ドメイン登録(レジストラ)サービスCloudflare Registrarも手がけています。だからこそ、ドメイン・DNS・セキュリティを“ひとつの管理画面”で完結できるのが大きな強みです。
理由1:料金が「原価」。更新しても高くならない
ドメイン料金で一番こわいのが「初年度は激安、更新で高額」というパターンです。1円や99円で釣って、2年目から数千円-という料金体系は珍しくありません。
Cloudflareはここが明快で、ドメインを“原価(卸値)”でそのまま提供します。上乗せ利益ゼロが公式の方針で、登録も更新もほぼ同じ価格。さらに、他社だと有料オプションになりがちな「WHOIS情報の非公開(プライバシー保護)」も無料で標準装備です(WHOIS=ドメイン所有者の氏名・住所などが誰でも検索できてしまう仕組み。非公開にしないと、その情報がネット上に公開されます)。「最初だけ安い」ではなく「ずっと適正価格」。長く持つドメインほど、この差は効いてきます。

【実録】自社の「.ai」で料金を並べてみた
言葉だけだと伝わりにくいので、実際に自社で取得した「.ai」ドメインで、国産大手のお名前.comとCloudflareの料金を並べてみました。「.ai」はAI企業の定番ドメインとして人気が高く、もともと割高なTLD(=「.com」「.jp」などドメインの種類のこと)。だからこそ、レジストラ(ドメインの取得先)ごとの差がはっきり出ます。
| 項目(.ai・1年あたり) | お名前.com | Cloudflare |
|---|---|---|
| 取得 | 16,493円/年 | 約$80(≒12,000円)/年・原価 |
| 更新 | 同水準+「サービス維持調整費」 | 約$80(≒12,000円)/年で据え置き |
| WHOIS情報の非公開 | 条件・別料金になりがち | 無料で標準装備 |
結果はシンプルでした。お名前.comで「.ai」ドメインを検索すると、取得は16,493円/年。一方Cloudflareは原価の約$80(1ドル150円で≒12,000円)/年。.aiは取得の時点ですでに、Cloudflareの方が年4,000円ほど安い計算です。.comや.jpが年1,000円前後なのに比べ、.aiはどちらも1万円超えの高額ドメイン。だからこそ、レジストラごとの価格差がそのまま効いてきます。
しかも差はこれだけではありません。お名前.comは、更新時に「サービス維持調整費」が一定割合上乗せされます。一方Cloudflareは、取得も更新も“原価”で据え置き、WHOIS非公開も無料。取得で安く、更新でさらに差が開く──「.ai」のように1件あたりが高いドメインほど、この原価提供のメリットは年単位でじわじわ効いてきます(.aiは登録・更新とも2年単位のため、初回は2年分をまとめて支払う形です)。
※2026年6月時点、お名前.comで実際に「.ai」ドメインを検索した取得価格(16,493円/年)です。.aiは登録・更新とも2年単位での契約。更新時にはサービス維持調整費が加算されます。Cloudflareは“原価”のため、為替やレジストリの価格改定で変わります(約$80/年、1ドル≒150円で計算)。
※ただし「.com」なら話は別です。.comのように元の単価が安く、各社がはげしく初年度キャンペーンを打つドメインでは、お名前.comの「取得0円〜」などの方がCloudflareより安いのがふつうです(Cloudflareの.comは原価の約$10〜11=1,600円前後)。「とにかく.comを初年度安く取りたい」なら、お名前.comなど国産のキャンペーンを使うのが賢い選択。Cloudflareの“原価・据え置き”が本当に効いてくるのは、.aiのように単価が高く、長く持つドメインだと考えてください。ドメインの種類で使い分けるのが、いちばん得をするコツです。
理由2:DNSが世界最速クラス、しかも無料
ドメインを取ると、必ず「DNS(住所案内)」の設定が必要になります。CloudflareのDNSは世界中に拠点を持つ高速ネットワークで、応答速度はトップクラス。DNSが速いと、サイトの初回表示が速くなり、メール周りの確認もスムーズになります。本来は別契約だったり有料だったりするレベルのDNSが、ドメインを取るだけで無料で付いてくるのは大きな魅力です。
理由3:Google Workspaceのメール設定が“ほぼ1タップ”
独自ドメインで会社のメール(例:info@hogehoge.ai)をGoogle Workspaceで使うには、本来「MX・SPF・DKIM・DMARC」という呪文のようなDNSレコードを、手で何件も登録する必要があります。ここはエンジニアでも事故りやすいポイントです。
Cloudflareは、こうしたメール設定をテンプレートからほぼワンタップで追加できます。「メールが届かない」「迷惑メール扱いされる」というありがちなトラブルの大半は設定ミスから来るので、必要なレコードが自動で正しく入るのは本当に安心です。加えて、独自ドメイン宛のメールを既存のGmailなどへ無料で転送できる「Email Routing」機能もあり、小さく始めたい会社にぴったりです。

理由4:SSL・CDN・DDoS対策まで標準装備(無料)
「https://」にするためのSSL証明書も、Cloudflareなら自動・無料。世界中への配信を最適化するCDNや、攻撃からサイトを守るDDoS対策まで、無料プランの範囲で標準装備です。本来はそれぞれ手間とお金がかかる部分が、最初からセットになっているのは見逃せません。
理由5:サイトの公開(ホスティング)まで無料でできる
※ここはやや上級者・エンジニア向けの話です。社内に作れる人がいれば、の“おまけ”の魅力なので、いなくても前述の魅力だけで十分。読み飛ばしてもOKです。
Cloudflareのすごいところは、ドメイン・DNS・メールだけで終わらない点です。「Cloudflare Pages」を使えば、作ったWebサイトの公開(ホスティング)まで無料でできてしまいます。実際この記事を書くにあたって、サーバーを1台も借りずにCloudflare Pagesで公開しました。
仕組みはシンプルで、GitHub(プログラムの保管庫)にサイトのデータを置いておくと、更新するたびに自動で公開(デプロイ)されます。SSL(https化)も自動、独自ドメインの割り当てもワンクリック。FTPやサーバーへのログインといった昔ながらの作業は一切いりません。
しかも、チラシのようなページ(静的サイト)だけでなく、問い合わせフォームや簡単なアプリのような“動くサイト”まで作れるのも魅力。「ドメインを取る → DNS → メール → サイト公開」まで、すべてをひとつの管理画面で完結できます。これは国産サービスを別々に契約していた頃には考えられない快適さでした。

取る前に知っておきたい注意点
便利な一方で、クセもあります。フェアに3つ挙げておきます。
- ネームサーバーがCloudflare固定(ネームサーバー=そのドメインの住所案内=DNSを管理する場所):Cloudflareで取ったドメインは、DNSもCloudflareを使う前提です(他社のネームサーバーに丸ごと切り替えることはできません)。ただし、サーバーを別会社(エックスサーバー等)にしたい場合も、DNSにそのサーバーのアドレスを指すだけで使えるので、実害は小さめです。
- 「.co.jp」「.jp」は取れない:CloudflareはJPドメインに非対応です。日本の「.co.jp」が欲しい場合は、お名前.comなどで取得して、DNSの管理だけCloudflareに任せる、という合わせ技がおすすめです。
- 管理画面は英語が中心:日本語表示にも切り替えられますが、用語は英語ベース。最初だけ少し慣れが要ります。
始め方かんたん4ステップ
「で、実際どうやって取るの?」という方へ。Cloudflareでドメインを取る流れは、ざっくり次の4ステップです(「.co.jp」が欲しい場合は、前述のとおりお名前.comなど国産で取得してください)。
- 無料アカウントを作る:Cloudflareにメールアドレスで無料登録するだけ。最初の費用はかかりません。
- 欲しい名前を検索する:管理画面で「会社名.com」など希望の名前を検索。空いていれば、その場で年額(原価)が表示されます。
- そのまま購入する:クレジットカードで決済すれば取得完了。WHOIS非公開やSSLは、何もしなくても自動で無料適用されます。
- 必要ならメールを設定する:独自ドメインのメール(例:info@会社名.com)を使うなら、テンプレートからGoogle Workspaceなどを選ぶだけ。難しいレコード入力は不要です。
パソコンが特別得意でなくても、①〜③だけなら15分ほどで終わります。「まず会社のドメインを押さえておきたい」だけなら、ここまでで十分です。
まとめ:迷ったら、ドメインはCloudflare Registrarで
- 料金は原価。更新で高くならず、WHOIS非公開も無料
- 世界最速クラスのDNSが無料で付いてくる
- Google Workspaceのメール設定がほぼ1タップ
- SSL・CDN・DDoS対策まで標準装備
- サイトの公開(ホスティング)までCloudflare Pagesで無料・一気通貫
「安く始めて、長く・安全に持てて、公開まで完結できる」。これがCloudflare RegistrarでドメインからWebサイトまでを揃える最大のメリットです。新しいサービスやプロダクトを立ち上げるなら、まず候補に入れて損はありません。AppTalentHubでは、こうした“今どきの便利な道具”を実際に自社で使い倒しながら、中小企業のDXに役立つ情報を発信していきます。

