保守しているサイトで、こう聞かれました。
「Instagram から、何件予約が来ていますか?」
答えられませんでした。
予約ページには、GA4 のタグが入っています。それでも、SNS ごとの予約の件数は出てきません。調べると、原因は一つではありませんでした。
宿泊、飲食、美容室、教室。予約を外部のサービスで受けているサイトなら、どこでも起きる話です。仕組みと設定のしかた、それでも残る限界を書いておきます。
予約ページが別のサービスだと、何が起きるか
自社のホームページと、予約ページ。見た目はつながっていても、住所(ドメイン)が違います。
- ホームページ:
example.com - 予約ページ:
reserve.example-booking.jpのような、予約サービスの住所
GA4 は、住所が変わると「別のサイトに移った」と考えます。予約ページに着いた時点で、お客さんは「example.com から来た人」として数え直されます。Instagram から来た、という情報はここで消えます。
途中で数字が切れる場所は、3つありました。

- ホームページから予約ページへ移ると、来た場所が消える。上に書いた住所の問題です
- 「予約完了」を数える目印がない。GA4 はページを見た数は数えます。でも、どの画面が予約完了なのかは知りません
- SNS のリンクに名札がない。Instagram や TikTok のアプリの中でリンクを開くと、どこから来たかが GA4 に伝わらないことがよくあります
予約サービスに置けるタグは、限られている
もう一つの壁は、予約サービスの側にあります。
最初は、ホームページと同じ Google タグマネージャー(GTM)を予約ページにも入れてもらおうとしました。GTM があれば、ボタンが押されたら数える、のような細かい設定を後から足せます。
返事は「この形式は置けません」でした。置けるのは、GA4・Meta ピクセル・Google 広告・Yahoo!広告のタグの4種類だけ。しかも、サービスがやるのはタグを置くところまでで、計測できるかどうかは判断しない、とのことでした。
外部の予約サービスでは、珍しくない対応だと思います。予約ページはたくさんの会社が同じ仕組みで使っていて、1社のために中身を変えられないからです。
なので、計測の設定は、自分たちの GA4 の画面で何とかするしかありません。

設定1 ホームページと予約ページを「同じサイト」として登録する
GA4 には、複数の住所を1つのサイトとして扱う設定があります。クロスドメイン測定といいます。
- GA4 の「管理」→「データの収集と修正」→「データストリーム」
- ウェブのストリームを選び、下のほうの「Google タグ」にある「タグ設定を行う」
- 「設定」の「ドメインの設定」を開き、「条件を追加」で、ホームページと予約ページの住所を両方登録する

今回は、ここに前に使っていた予約サービスの住所が登録されたままでした。予約サービスを乗り換えたときに、GA4 の設定までは誰も見直していなかった。乗り換えたことがあるサイトは、まずここを見てください。
この設定が効くと、ホームページから予約ページへ移るときのアドレスに _gl= で始まる文字が付きます。これが「さっきの人と同じです」という印です。
設定2 自分たちのサイトを「紹介元」から外す
同じ「タグ設定を行う」の画面で、「設定」の下の「もっと見る」を開くと、除外する参照のリストがあります。ここに、ホームページと予約ページの住所を入れます。

これをしないと、予約ページから見て「ホームページに紹介されて来た人」が増えて、SNS や検索から来た人の数が小さく見えます。
設定3 「予約完了」の目印を作る
予約が完了したときに出る画面の住所(URL)が分かれば、GA4 の画面だけで目印を作れます。
- 設定1と同じストリームの画面で、「カスタム イベントを作成」→「作成」
- 「イベント名」に
reservation_completeのような名前を入れ、「キーイベントとしてマークを付ける」をオンにする。これでキーイベントとして数えられます - 「コードなしで作成」のまま、トリガーのイベント名を
page_view、条件を「URL contains」にして、「URL」の欄に完了画面の URL の一部を入れる

完了画面の URL は、予約サービスに聞くのが確実です。数え始めるのは設定したあとからで、さかのぼっては数えられません。
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設定4 SNS に貼るリンクに名札を付ける
SNS のアプリの中で開かれたリンクは、来た場所が伝わりにくい。なので、リンクそのものに名札を付けます。UTM パラメータといって、アドレスの後ろに3つ足すだけです。
https://reserve.example-booking.jp/?id=0000&utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=profile
| 名札 | 入れるもの |
|---|---|
| utm_source | どの SNS か。instagram・facebook・tiktok・line。半角の小文字でそろえる |
| utm_medium | social で固定。広告のときは paid_social |
| utm_campaign | 置き場所や企画。profile・post など |
utm_medium を social にしておくと、GA4 が自動で「SNS から来た人」にまとめてくれます。大文字が混ざると、別の SNS として数えられるので気をつけてください。
ここで一つ決めることがあります。SNS のリンクを、ホームページにつなぐか、予約ページに直接つなぐか。

予約ページに直接つなぐほうが確実です。 名札が予約ページに直接届くので、設定1・2がうまく効いていなくても、SNS ごとに数えられます。
確かめ方と、つまずいたところ
設定したら、2つ確かめます。
- 自分でホームページから予約ページへ移ってみて、アドレスに
_gl=が付くかを見る。付いていれば、設定1が効いています - 名札付きのリンクを自分のスマホで開いて、GA4 の「レポート」→「リアルタイム」を見る。数十秒で「instagram / social」のように出れば、設定4が効いています
リアルタイムに出ない場合は、名札の綴り(大文字・全角が混ざっていないか)と、予約ページに GA4 のタグが本当に入っているかを見直します。
ここで一つ、つまずきがありました。ホームページに埋め込んだ予約サービスの「日付を選んで検索するパネル」です。このパネルは、普通のリンクではなく、プログラム(JavaScript)でフォームを送って予約ページへ移ります。GA4 が自動で印を付けるのはリンクとフォームの「送信」の動きなので、プログラムから直接送られると、印が付かないことがあります。
普通の「予約する」ボタンは大丈夫でも、検索パネルからの人だけ来た場所が消える。そういうことが起こりえます。
- 確かめ方:パネルで日付を選んで検索し、移った先のアドレスに
_gl=が付くかを見る。ボタンからは付くのに、パネルからは付かなければ、これです - 当面の逃げ道:SNS のリンクは、ホームページではなく予約ページに直接つなぐ(名札が直接届くので、パネルを通らない)。ホームページ側も、パネルの近くに普通の「予約する」ボタンを置いておく
- 直す方向:予約サービスに、パネルから移るときに GA4 の印を引き継げるか聞く。だめなら、ホームページ側でパネルの送信の直前に印を付け足す手直しをする。後者はプログラムを書ける人の作業です
それでも、数えられないもの
ここまでやっても、外部の予約サービスでは次のものは数えられません。
- SNS ごとの売上の金額。予約の金額は GA4 に送られないので、件数まで
- あとからのキャンセル。GA4 は完了画面が開いた回数を数えるだけ
- 予約ページの中の細かい操作。プランを選んだ、カートに入れた、など。GTM が置けないので足せない
- TikTok の広告タグ。予約サービスが受け付けていなければ置けない
- あとで別の端末から予約した人。スマホで見て、パソコンで予約したら別の人になる
なので、GA4 の数字は「少なくともこれだけ」という下限です。Instagram で見たあと、検索して予約した人は、検索から来た人に数えられます。
結局、どこまでやるか
ここまでを、2段に分けて考えます。
| できること | 手間 | |
|---|---|---|
| 設定1〜4まで | SNS ごとの予約件数の「下限」が見える | GA4 の画面だけ。30分ほど |
| その先まで正確に | 売上の金額、キャンセルを引いた件数、別の端末からの予約まで追う | 予約の各ページに個別の設定が要り、予約サービスとの調整も入る。工数が大きい |
1段目は、やっておいて損はありません。ただ、出てくるのは下限の数字です。それだけで「この SNS は効いていない」と決めるのは早い。
2段目は、そこまでの数字が本当に要るかで決めます。今回は、打ち合わせでこう決めました。
- 当面は、予約サービスの予約件数をもとに把握する
- SNS の投稿や広告を出した時期と、予約件数の動きを並べて見る
- SNS ごとの正確な数字が必要になったら、そのとき方法と費用を出し直す
外部に頼んだ場合の目安は、1サイトあたり初期の設定が1〜15万円、毎月の集計が月1〜5万円くらいです。頼む先によって大きく違います。ツールの利用料は、GA4 も名札もかかりません。
「数えられない」と分かったことも、判断の材料です。 広告を出すかどうか、どの SNS に力を入れるかを決めるとき、「この数字は下限」と知っていれば、数字が少なく見えても慌てずにすみます。

参考
- クロスドメイン測定の設定(アナリティクス ヘルプ)
- 除外する参照を指定する(アナリティクス ヘルプ)
- キーイベントについて(アナリティクス ヘルプ)
- キーイベントを作成または変更する(アナリティクス ヘルプ)
- URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する(アナリティクス ヘルプ)
- デフォルト チャネル グループ(アナリティクス ヘルプ)
2026年10月20日時点の情報によります。
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サイトの計測、誰も見直していませんか
予約サービスやホームページを乗り換えたあと、計測の設定はそのまま。そういうサイトの点検と保守も引き受けています。



