皆さん、こんにちは。AppTalenthubの宮崎翼です。
我々AppTalenthubは「見せてから、始める」というミッションのもと「誰もがテクノロジーでアイデアを形にできる社会」の実現を目指し、DX人材の育成支援を展開しています。
今回は、特に私の母校である。愛媛県新居浜工業高等専門学校(以下、新居浜高専)での研修について、その熱気と成果をレポートします。
なぜ今、高専で「AI×ノーコード」なのか?
新居浜市は、言わずと知れた日本の「工都」。別子銅山の開坑から日本の近代化を支え続けてきた、ものづくりの聖地です。そして、そのDNAを色濃く受け継ぐのが、新居浜高専の学生たちです。
伝統的な専門知識や技術力に加え、AIを使いこなし、ソフトウェアを迅速に開発する「デジタルの実装力」が不可欠だと考えて、今回AIやノーコードの事例を共有するための研修をしました。
今回の研修の目的は、新居浜高専の学生たちが持つ専門知識というに、AIとノーコードという現場の技術を伝え、次世代のイノベーションを担うための人材を創り出すことにありました。できるうる限りの実践的な技術を知ってほしいということで、直前でリリース公開されたギリギリのIT情報を共有していきます。
SESSION 1:AIの常識を破壊する『Nano banana』との遭遇
研修初日(9月24日)。我々はまず、AIに対する学生たちの「常識」を一度リセットすることから始めました。そのために用意したのが、最先端の画像・動画生成技術である「Nano banana」のデモンストレーションです。
複雑なプロンプトなしに、高品質なビジュアルコンテンツや、次々と生み出されていく様子に、ビジュアルに驚きがありました。
【受講生の声】 「”プログラミングに触れたことがなかったが、自分が思うものを簡単に作れるようになったこと。
世の中の人が必要とするアプリは難しかったので、これから作れるようになっていきたい。”」
このセッションで伝えたかったのは、AIはもはやSFではなく、日常のツールになりつつあるという現実です。この強烈な原体験が、続く開発セッションへの高いモチベーションを醸成しました。
SESSION 2-3:アイデアが爆速で”カタチ”になる興奮
2日目と3日目(9月25-26日)は、ノーコードツール「Bubble」とAI連携プラットフォーム「Dify」を駆使した実践開発フェーズです。
従来の開発手法では数ヶ月を要するようなアプリケーションのプロトタイプを、彼らはわずか2日間で次々と形にしていきます。
【受講生の声】 「V0やgeminiを知って使っていたけど、今回のセミナーでdifyやbubbleを知ることができたのがよかったです。difyは感覚で操作してできたけどbobbleは翼さんの助けがないと全く歯が立たなかったので勉強になったし難しかったけど比例して面白かったです。」
自分のアイデアが、数時間後には動くサービスとして目の前に現れる。この「爆速プロトタイピング」の成功体験こそが、彼らの創造性に火をつけ、失敗を恐れないチャレンジ精神を育んだのです。
最終発表会:アイデアの奔流と、進化し続けるAIの未来
最終日(10月3日)。そこにはもはや「研修の受講生」はいませんでした。
自らの課題意識に基づき、テクノロジーで解決策を提示する、若き「課題解決者」たちの姿がありました。
発表されたアプリケーションは、まさに圧巻の一言。
- 寮生活サポートアプリ「寮メシGO!」
- 部活動支援アプリ「弓ナビ」「Volley Lab」
- フードシェアリングアプリ「ほっとシェア」
- 買い物代行マッチング「お助けショッピング」
【受講生の声 「他の人の発表を聞いて、同じツールを使っているのに、こんなに違うものが生まれるのかと驚きました。特に、自分の専門分野と結びつけていたアプリはレベルが高く、すごく刺激を受けました。自分ももっと頑張ろうと思えました。」
そして、この素晴らしい発表会の締め括りに、我々はもう一つのサプライズを用意していました。研修期間中にアップデートされたばかりの、最新のChatGPTの動画生成AI「Sora2」のデモンストレーションです。









学生たちが数日前に見た「Nano banana」をさらに凌駕する、物理法則を理解し、音声まで生成するリアルな映像。それは、彼らが開発に没頭している、このわずかな期間にも、テクノロジーは凄まじい速度で進化しているという事実を何よりも雄弁に物語っていました。
【受講生の声】 「AIの自由度が思っていたよりも高くて驚いたこと」
■ゲスト登壇者 :福島楓人

東京高専新卒で大手に入社。令和の虎で完全ALLを達成し、学生時代の法人向け受託開発や、講師を務めた経験から、 学生AIコミュニティ「http://gakuse.ai」を創設し、講義や勉強会、情報共有を通じて全国の学生の生成AIスキルを推進。 Xではフォロワー1.2万人超えのAIインフルエンサーとして有益な情報を発信。Softbank「satto」など様々なAIツールのアンバサダーを務め、 AI関連のイベントの運営や登壇で活動を広げる。
総括:すべての企業人に告ぐ。才能は、”機会”を待っている
今回の研修を終えて、私が確信したこと。それは、日本の未来を担う若い才能は、決して枯渇などしていないということです。彼らは、自らのポテンシャルを解き放つための”機会”と”武器”を待っているに過ぎません。
AIとノーコードは、まさにその”武器”です。
新居浜高専の学生たちは、この新たな武器を手にしたことで、自らの専門知識を社会課題の解決に直結させる術を学びました。彼らこそが、伝統ある「工都」新居浜を、未来の「スマート工都」へと進化させる原動力になるでしょう。
我々AppTalenthubは、こうした熱意ある若者たち、そして変革を目指すすべての企業と共に、日本のDXを加速させるための挑戦を続けてまいります。
