国産AI- SakanaAI Fuguリリース。Codex CLIで使ってみた。接続で詰まったところ付き

▲この動画は、Claude Code で先に作った WebGL 表現10種を「参考デザイン」として渡し、Sakana AI(Fugu)+ Codex CLI に生成させたアニメーションです。ギャラリーには Claude Code 製(p01〜p10)Sakana 製(ファイル名が sakana〜 の3つ)が混在しており、AIが別のAIのデザインをどう作り替えたかを見比べられます → webgl-gallery(GitHub Pages)

Sakana AI の Fugu / Fugu Ultra は「OpenAI互換API」として案内されています。であれば、OpenAI純正の Codex CLI のエンドポイントとAPIキーを差し替えるだけで使えるはず——と思って試したところ、そのままでは動きませんでした。この記事では、Fuguの位置づけを押さえたうえで、原因の切り分けからローカルプロキシ1枚での解決までを、実際の画面とコード付きで記録します。

また、現在Sakana-Fuguについて、軽量モデルを司令塔として訓練し、裏側では、ClaudeやChatGPTなどの高性能モデルを呼び出しながらタスクを処理する点にある。ということで、純国産ではないとの話が出てますが、この記事では日本国内の会社が、という点での国産ということで書いておきます。(6/23追記)

検証日:2026年6月23日 / Codex CLI v0.142.0-alpha.6 / Sakana Fugu Ultra(fugu-ultra-20260615)。なお本記事はalpha版CLIでの検証です。Sakana・Codex双方の更新により、本記事のプロキシ対応が将来不要になる可能性があります。

まず「Fugu / Fugu Ultra」の位置づけ(ベンチマーク)

Fugu / Fugu Ultra は Sakana AI が公開したモデルです。コーディング・科学・推論系のベンチマークで、最先端モデルと肩を並べる性能をうたっています。Sakana AI 公式ページの表現を引用すると、次のとおりです。

Our Fugu Ultra model stands shoulder-to-shoulder with leading models like Fable 5 and Mythos Preview across the industry’s most rigorous engineering, scientific, and reasoning benchmarks. It delivers frontier capability without the risk of export controls.

Sakana AI 公式サイトより

つまり公式の主張は「Fable 5 や Mythos Preview といった先端モデルと肩を並べる(shoulder-to-shoulder)」というもの。加えて「輸出規制リスクなしでフロンティア級の性能(frontier capability without the risk of export controls)」を打ち出しているのが特徴です。

※以下のスコアはいずれも Sakana AI 自社調べ(公式公表値)であり、第三者による独立検証ではない点にご留意ください。

Fugu Ultra と Fable 5・Mythos Preview などを比較したベンチマークのバーチャート(Sakana AI公式)
Sakana AI公式のベンチマーク。Fugu Ultra を Fable 5 / Mythos Preview / Gemini / GPT 5.5 / Opus 4.8 と比較(自社調べ)

数値を見ると、LiveCodeBench・GPQA-D・CharXiv Reasoning などでは Fugu Ultra が最高スコアを取る一方、SWEBench Pro(Fable 5=80.0)・SciCode・Humanity’s Last Exam では Fable 5 が上回ります。「Fable 5を一律に超える」わけではなく、ベンチマーク次第で上下する“互角”、と読むのが公式の表現にも忠実です。Opus 4.8 / Gemini 3.1 Pro / GPT 5.5 との数値比較は次の表のとおりです。

Fugu / Fugu Ultra と Opus 4.8・Gemini 3.1 Pro・GPT 5.5 のベンチマーク数値比較表
数値比較表(太字=最高、下線=2番手)。Fugu Ultra が多くの項目で首位(Sakana AI自社調べ)

いずれにせよ、フロンティア級と称されるモデルが、OpenAI互換APIで使えるようになった——というのが、今回 Codex CLI から試してみた動機です。ここからが本題です。

全体像:最終的にこういう経路にした

結論から言うと、Codex と Sakana API の間に小さな「ローカルプロキシ」を1枚挟む構成に落ち着きました。質問を入れた同じコマンドプロンプトに、Fugu Ultra の回答が戻ってきます。

Codex CLI から Sakana Fugu に質問して、同じ cmd に回答が戻る流れの図
Codex CLI → config → ローカルプロキシ → Sakana API → Fugu Ultra → 同じ cmd に回答が戻る

1. Sakanaコンソールでキーを取得する

まず Sakana AI のコンソールでAPIキーを作成します。FuguはOpenAIと少し毛色が違い、利用モード(サブスクリプション)/Fugu pool/Max cost といった独自の設定項目があります。自分の画面と見比べる際の参考にしてください。

Sakana AI コンソールのAPIキー作成・管理画面
Sakana AI コンソールのAPIキー画面。利用モードやFugu poolなどFugu独自の項目がある

取得したキーは設定ファイルに直書きせず、環境変数 SAKANA_API_KEY に登録します。

# PowerShell で一時的に設定する場合
$env:SAKANA_API_KEY="(あなたのSakana APIキー)"

🔒 キーを書いたファイルやリポジトリは公開しないこと。万一どこかに出してしまった場合は、コンソールから即ローテーション(再発行)してください。

2. Codex に Sakana 用プロファイルを足す

既存設定(gpt-5.5 など)を壊さないよう、別ファイルとして sakana.config.toml を作ります。場所は %USERPROFILE%\.codex\ 配下です。

model = "fugu-ultra-20260615"
model_provider = "sakana-fugu"
model_context_window = 272000   # 未知モデル扱いになるので手動指定
web_search = "disabled"

[model_providers.sakana-fugu]
name = "Sakana Fugu"
base_url = "https://api.sakana.ai/v1"
env_key = "SAKANA_API_KEY"
wire_api = "responses"

3. まずAPI単体は問題なく通る

codex コマンドがPATHに無い問題(codex.exe の場所は環境で異なるので where codex で確認)を解決したうえで、Sakana API の /models を直接叩くと正常に応答しました。fugu / fugu-ultra / fugu-ultra-20260615 が返り、APIキー・Base URL・モデル名はすべて正しいことが確認できました。問題はもっと手前ではなく、Codex経由で送られる中身にありました。

4. ところがCodex経由だと弾かれる(本記事の山場)

codex exec --profile sakana "日本語で一言だけ『接続できています』と返してください。"

実行すると、次のエラーが出ました。

Invalid value: 'image_generation'.
Supported values are: 'function' and 'custom'.

Codex はリクエストの toolsimage_generation という tool type を含めて送ります。一方、Sakana 側が受け付ける tool type は functioncustom だけ。つまり「OpenAI互換」を謳っていても、tool schema の差分でそのまま弾かれるわけです。原因はキーでもURLでもなく、両者のスキーマの非互換でした。

5. 解決:間にローカルプロキシを1枚挟む

なぜプロキシなのか。Codex が出すリクエストはこちらで編集できず、Sakana は未知の tool 型を拒否する——両端のどちらも変えられない以上、その間の通信を中継して不一致を吸収するしかないからです。なお、Fugu を単に直接APIで叩くだけならプロキシは不要で、これは「Codex のエージェント機能を活かしたまま頭脳を Fugu に差し替える」ための工夫です。

そこで、Codex と Sakana の間に小さなNode.js製プロキシを置き、Sakanaが受け付けないtoolを落としてから転送するようにしました。心臓部はこの関数です。

// Codex が送るリクエストから、Sakana 非対応の tool を除去する
function patchRequestBody(buffer, contentType) {
  if (!buffer.length || !contentType.includes("application/json")) return buffer;
  const payload = JSON.parse(buffer.toString("utf8"));

  if (Array.isArray(payload.tools)) {
    payload.tools = payload.tools.filter(
      (tool) => tool?.type !== "image_generation"
    );
    if (payload.tools.length === 0) delete payload.tools;
  }
  return Buffer.from(JSON.stringify(payload));
}

もう一点、地味だが効くのが /models レスポンスの整形です。Sakana は data 配列で返しますが、Codex は models 配列を期待する場面があるため、レスポンス側も補完しておきます。

// /models のレスポンスを Codex が読める形に補完する
if (target.pathname.endsWith("/models") && ct.includes("application/json")) {
  const json = JSON.parse(await upstream.text());
  if (Array.isArray(json.data) && !json.models) {
    json.models = json.data.map((m) => ({
      ...m,
      slug: m.slug || m.id,
      name: m.name || m.id,
    }));
  }
  // 補完したJSONをCodexへ返す
}

あとは sakana.config.tomlbase_url を、Sakana本体ではなくローカルプロキシ(例:http://127.0.0.1:8787/v1)に向け直すだけです。運用は「①プロキシを起動したウィンドウを開いたままにする → ②別ウィンドウで codex --profile sakana を起動」の2段構えになります。

6. 接続成功

codex exec --profile sakana "日本語で一言だけ『接続できています』と返してください。"
→ 接続できています

実際に「今日は、何日ですか?」と聞くと、Fugu Ultra が思考過程(reasoning)をたどったうえで日本語で答えます。フッターに fugu-ultra-20260615 と出ているのが、Sakanaのモデルが応答している証拠です。

Codex CLI 上で fugu-ultra-20260615 が思考過程込みで日本語回答している画面
Codex CLI から Fugu Ultra が「今日は2026年6月23日です。」と回答。フッターに fugu-ultra-20260615 と表示されている

まとめ

  • Fugu / Fugu Ultra は、Sakana AI 自社調べで Fable 5・Mythos Preview と肩を並べる(ベンチによっては上回る)水準。「輸出規制リスクなしのフロンティア級」を掲げるのが特徴。
  • Sakana Fugu / Fugu Ultra は、OpenAI互換APIとして Codex CLI から利用できる。
  • ただし現時点では、Codex が送る image_generation tool を Sakana が拒否するため、ローカルプロキシで未対応toolを除去する一工夫が要る(/models レスポンスの整形も合わせると安定する)。
  • 「互換」と書いてあっても、実運用ではスキーマ差分を吸収する層が要る—という、AI周辺の実務でよく出会う典型例でした。

    早速、新居浜市でやっている生成AI勉強会の、SakanaAIとClaudeCode比較でプレゼンしてみます。


参考リンク

この記事を書いた人

宮崎翼

愛媛県出身・東京都在住。
国立工業高専(新居浜工業高等専門学校)卒業後、外資系ソフトウェア企業などで法人営業・IT導入支援に従事し、BtoB領域で多様な新規開拓やエンタープライズのDX推進を経験。

現在は「AppTalentHub」の理念、ノーコード/ローコードを活用したアプリ開発の標準化と、エンジニアのスキルの可視化による適正評価を実現するためのプロジェクトやコミュニティ運営に取り組んでいます。
https://tsubasa.tech/about