【海外Bubble事例】ノーコードで10ヶ月で年間経常収益(ARR)ARR1億円超え!SaaS『Faceless Video』の成功法則とは?

「プログラミングができなければ、革新的なWebサービスは作れない」 そう思っていませんか?

もし、コーディングの知識が一切なくても、わずか10ヶ月で年間経常収益(ARR)100万ドル(約1.5億円)を達成するSaaSを構築できるとしたら、どうでしょう。

こんにちは、ツバサです。

今回は、そんな夢のような話を現実にした海外の事例をご紹介します。ノーコードツール「Bubble」を100%活用して開発された動画自動生成SaaS『Faceless Video』です。

彼らはどのようにしてこの偉業を成し遂げたのか。
その成功の裏側にある、Bubbleの活用法と巧みなマーケティング戦略、そして創業者からの貴重なアドバイスを紐解いていきましょう。

100%コードなしで100万ドルのSaaSを構築しましたを参考にしてます。

100万再生動画も生まれた『Faceless Video』のビジネスモデル

Faceless Videoは、「顔出しなしのSNSアカウントを自動化したい」と考えるユーザー向けのSaaS(Software as a Service)です。

このサービスはとてもシンプルです。
ユーザーがやることは、自分のチャンネルで扱いたいトピック(例:「歴史の豆知識」「心理学テクニック」など)を入力するだけ

すると、AIが以下のすべてを全自動で行ってくれます。

  • 動画のアイデア出し
  • 動画コンテンツの生成
  • ユーザーのSNSアカウントへの自動投稿

この徹底した自動化により、ユーザーはコンテンツ制作の手間から完全に解放されるのです。この手軽さが爆発的な人気を呼び、プラットフォームからは毎日何千もの動画が生成され、中には1本の動画で100万回以上再生されるバイラルコンテンツも生まれています。

  • ビジネスモデル: SNS動画の自動生成・投稿SaaS
  • 実績: わずか10ヶ月でARR100万ドル達成、累計ユーザー110万人以上
  • 技術: ノーコードツール「Bubble」のみで構築

このアイデアは、共同創業者のAlex氏が「TikTokで顔出しなしの動画が流行している」ことに着目したのが始まりでした。しかし、一貫したコンテンツ制作の難しさを痛感した彼は、これを自動化できないかと考え、Jacob氏に相談。Jacob氏の「これはSaaSになる」という確信から、Faceless Videoは誕生しました。

なぜ彼らは「Bubble」を選び、使い続けるのか?

Faceless Videoが驚異的なスピードで成長できた背景には、ノーコードプラットフォーム「Bubble」の存在が不可欠でした。

1. コーディング不要の迅速な開発

創業者たちはプログラミングの専門家ではありませんでした。Bubbleは、プログラミングを「人間語」に翻訳してくれるような直感的な操作性で、アイデアを素早く形にすることを可能にしました。これにより、彼らは複雑なコードと格闘することなく、プロダクトの本質的な価値創造に集中できたのです。

2. スケールしても安心の堅牢性

「ノーコードは大規模サービスには向かない」という懸念を持つ人もいるかもしれません。しかし、Faceless VideoはARR1億円を超える規模に成長した今でも、Bubbleを使い続けています。その理由は、Bubbleが提供するセキュリティ、スケーラビリティ、プライバシー管理、バックエンド機能といった、Webアプリ運用に不可欠な要素が非常に堅牢だからです。実際に問題が発生した際も、Bubbleのサポートが迅速に解決してくれたと創業者は語ります。

成功するビジネスは、必ずしも最先端のカスタムコードを必要としない。この事例は、Bubbleが単なるプロトタイピングツールではなく、本格的な事業を支える強力な基盤であることを証明しています。

製品の価値を最大化した、低コスト・高効果のマーケティング戦略

優れたプロダクトも、ユーザーに届かなければ意味がありません。Faceless Videoのマーケティング戦略の鍵は「バイラル性(口コミ)」でした。

ストーリーテリングで心を掴む

彼らは、単に機能を説明するのではなく、「なぜこの製品がすごいのか」というストーリーを伝えることを重視しました。最初の広告は、Twitter(現X)にわずか200ドルを投じたものでしたが、そのストーリーがユーザーの心を掴み、数十万回も閲覧されるバイラルヒットを記録しました。

インフルエンサーと口コミが最強の武器

驚くべきことに、最大の成長要因は、広告を見たインフルエンサーたちが自発的に製品を紹介し始めたことでした。製品を心から気に入った彼らが、自身のフォロワーに熱意をもって勧めてくれたのです。 さらに、「友人からの紹介」という純粋な口コミも、常にトップ5に入る顧客獲得チャネルであり続けています。

これは、「プロダクト自体が本当にユニークで、顧客の課題を解決していれば、人々は自然とそれに気づき、語り始める」という、プロダクト主導の成長(PLG)を体現した好例と言えるでしょう。

創業者から学ぶ、成功のための3つのアドバイス

最後に、創業者たちが語る、これからサービスを立ち上げる人への3つのアドバイスをご紹介します。

  1. 最初からスケールを想定して構築する: 「もしユーザーが10万人登録したら?」を常に考え、価格モデルや技術的な設計を初期段階から意識することが、急成長の波に乗る秘訣です。
  2. アイデアに執着しすぎない: Faceless Videoは、6つの失敗したアイデアの後に生まれたものです。一つのアイデアに固執せず、素早く失敗し、学び、次に進む柔軟性が重要です。
  3. 自己資金で運営する(ブートストラップ): 自己資金で始めることで、無駄をなくし、ビジネスの真の価値に集中せざるを得なくなります。これは、持続可能な成長モデルを築くための健全な制約となります。

まとめ:ノーコードは、アイデアをビジネスに変える最強のツール

Faceless Videoの成功物語は、私たちに多くのことを教えてくれます。

  • プログラミングスキルは、もはやアイデア実現の必須条件ではない。
  • Bubbleは、迅速な開発から大規模な事業運営までを支える信頼性の高いプラットフォームである。
  • 本当に価値のあるプロダクトは、それ自体が最強のマーケティングツールになる。

この記事を読んでいるあなたも、頭の中に温めているアイデアがあるかもしれません。Faceless Videoの事例は、そのアイデアを形にするためのパワフルなツールが、すでにあなたの手の中にあることを示しています。

さあ、Bubbleで新しい挑戦を始めてみませんか?

この記事を書いた人

宮崎翼

愛媛県出身・東京都在住。
国立工業高専(新居浜工業高等専門学校)卒業後、外資系ソフトウェア企業などで法人営業・IT導入支援に従事し、BtoB領域で多様な新規開拓やエンタープライズのDX推進を経験。

現在は「AppTalentHub」の理念、ノーコード/ローコードを活用したアプリ開発の標準化と、エンジニアのスキルの可視化による適正評価を実現するためのプロジェクトやコミュニティ運営に取り組んでいます。
https://tsubasa.tech/about