Figma Make→HTML→Bubble連携 AIとノーコードを繋ぐ開発フロー検証

こんにちは。 AIによるデザイン生成とノーコード開発の進化が止まりません。Figma公式のAI機能「Figma Make」でデザインを瞬時に生成し、それをノーコードツール「Bubble」でWebアプリとして動かす。この流れは、もはや開発のスタンダードになりつつあります。

しかし、もしこの間に「あえて」HTML化のプロセスを挟んだらどうなるのでしょうか?

今回は、「Figma Make」→「FigmaHTML」→「Bubble To Figma」という、少し変わった連携フローを実験的に試し、その実用性や可能性についてレポートします。

(注意)このフローは、まだきれいに取り込みできないことがあることに注意下さい。(2025/11/8)
    Figma MakeからFigma Designへの直接反映をまず待った方がいいとは思う。。

登場するプレイヤー(ツール)紹介

今回の実験で使用するツールを整理します。

  1. Figma Make: Figmaに搭載されたAI機能。プロンプト(テキスト指示)から、編集可能なデザインや動作するプロトタイプを自動生成します。
  2. FigmaHTML (html.to.design): ここでは、既存のWebサイト(HTML)をFigmaのデザインレイヤーに変換(インポート)する人気プラグイン「html.to.design」を指します。
  3. Bubble To Figma (Figma to Bubble): Figmaのデザインをノーコードツール「Bubble」にインポートするための公式連携機能です。(一般的には「Figma to Bubble」と呼ばれます)

🔬 実験ワークフロー:「AI → HTML → ノーコード」の実行手順

ご指定の順番通りに、作業手順を追ってみましょう。

ステップ1: Figma Make でAIにデザインを生成させる

まずは、Figma Makeを使ってアプリのベースデザインを生成します。

  1. Figmaを開き、+ 作成 > Make を選択します。
  2. プロンプト入力欄に、作りたいアプリの概要を指示します。(例:「シンプルなタスク管理アプリのダッシュボード。モダンでクリーンなデザイン。」)
  3. AIがデザインを生成します。この時点で、Figmaキャンバス上には編集可能なデザインレイヤー群が出来上がっています。

ステップ2: Figma Makeの成果物を「HTML」として書き出す

ここが最初の分岐点です。次の「FigmaHTML (html.to.design)」プラグインで読み込むために、ステップ1で生成したFigmaデザインを一度Figmaの外(HTML)に出します。

  1. Figma Makeのプレビュー画面右上にある「公開」ボタンをクリック。
  2. サイト名を付けて公開し、生成された公開URL(https://[...].figma.site/)をコピーします。
    • (別解:コードエディタからHTML/CSSコード自体をコピーすることも可能です)

【ポイント】 この時点で、Figma Makeは「Figmaデザイン」と「Webサイト(HTML)」の両方を同時に生成していることがわかります。

ステップ3: 「FigmaHTML (html.to.design)」でデザインを再インポートする

次に、ステップ2で取得したURLを使い、あえてFigmaにデザインを「逆輸入」します。

  1. Figmaで新規ファイルを開きます。
  2. Figmaコミュニティからプラグイン「html.to.design」を実行します。
  3. プラグインの「URL」タブに、ステップ2でコピーしたFigma Makeの公開URLを貼り付け、「Import」をクリックします。
  4. プラグインが公開サイトを解析し、Figmaキャンバス上にデザインレイヤーとして再構築します。

ステップ4: 「Bubble To Figma (Figma to Bubble)」でBubbleに連携する

最後に、ステップ3で再インポートしたFigmaデザインを、Bubbleに取り込みます。

  1. Figma側: 設定 > 個人アクセストークン でBubble連携用のトークンを発行し、コピーします。
  2. Bubble側: Bubbleエディタの Settings > General タブを開きます。
  3. 「Design import」セクションに、Figmaアクセストークンと、ステップ3のFigmaファイルURLを貼り付けます。
  4. Bubbleエディタの「Import from Figma」ボタンから、インポートしたいフレームを選択して実行します。
  5. FigmaのデザインがBubbleの要素(Element)として変換され、配置されます。

💡 検証結果:このフローは「実用的」か?

さて、この「Figma Make」→「FigmaHTML」→「Bubble To Figma」という流れは実用的だったのでしょうか。

結論から言えば、「技術的には可能だが、非常に遠回り」です。

なぜ遠回りなのか?

最大の理由は、ステップ1とステップ3にあります。

  • ステップ1: 「Figma Make」は、AIに指示した時点で既にFigmaの編集可能なデザインレイヤーを生成しています。
  • ステップ3: 「html.to.design」は、Webサイト(HTML)をFigmaのデザインレイヤーに変換するためのツールです。

つまり、「Figma Makeが生成したFigmaデザイン」を、一度HTML化し、それを「html.to.design」でわざわざ「Figmaデザイン」に戻しているのです。これは、テキストファイルを一度PDF化し、それをOCRで再度テキストファイルに戻すような二度手間と言えます。


🏆【最適解】AI to ノーコード開発の「実用的な」ワークフロー

では、Figma MakeとBubbleを連携させる場合の、
最も効率的で実用的なフローはどれでしょうか。 答えは非常にシンプルです。

最適なワークフロー (ステップ2, 3を省略)

  1. Figma Make でデザインを生成
    • AIがFigmaキャンバス上にデザインを生成します。
  2. (推奨)Figma でデザインを微調整
    • AIが生成したデザイン(特にAuto Layoutやコンポーネント設定)を、Bubbleに持ち込みやすいよう手動で調整します。
  3. Figma to Bubble でインポート
    • ステップ1(または2)のFigmaファイルURLを直接Bubbleに設定し、インポートします。

【ポイント】 「FigmaHTML (html.to.design)」プラグインは、**Figma Makeとは無関係の「既存のWebサイト」**をFigmaにインポートして改修したい場合に非常に強力なツールです。

結論

今回の「Figma Make → FigmaHTML → Bubble To Figma」というフローは、各ツールの連携可能性を探る興味深い「実験」ではありましたが、実務で使うメリットはほぼありません。

AppTalenthub読者の皆様がAIとノーコードを連携させる際は、ぜひ「Figma Make → (調整) → Figma to Bubble」という最短・最強のワークフローをご活用ください。

AIがデザインの「0→1」を、ノーコードが「1→100」のロジック実装を担う。この強力なコンビネーションで、アプリ開発はさらに加速していきます。

この記事を書いた人

宮崎翼

愛媛県出身・東京都在住。
国立工業高専(新居浜工業高等専門学校)卒業後、外資系ソフトウェア企業などで法人営業・IT導入支援に従事し、BtoB領域で多様な新規開拓やエンタープライズのDX推進を経験。

現在は「AppTalentHub」の理念、ノーコード/ローコードを活用したアプリ開発の標準化と、エンジニアのスキルの可視化による適正評価を実現するためのプロジェクトやコミュニティ運営に取り組んでいます。
https://tsubasa.tech/about