皆さん、こんにちは!
最近、フリーランスとして法人と契約する機会が増えていると聞きます。インボイス制度の導入など、会計・税務に関する情報も多く、不安を感じている方もいるかもしれませんね。
私たちAppTalentHubは旧NodeCampのオンライン時代から、2020年以降、実に500件以上のフリーランスの方々と取引をしてきました。その中で、正直に言って「え、こんなことするの!?」と驚くような“残念な失敗事例”を数多く見てきました。
しかし、これは同時に「ここをこうしてくれたら、安心して何度も仕事をお願いできるのに!」と感じる“明確なポイント”があるということでもあります。
今回は、私たちが経営者として経験した具体的な「困った」事例を挙げながら、フリーランスの皆さんが法人から「この人なら安心!」と信頼されるために、最低限押さえておくべきマナーと心構えをお伝えします。このコラムを読めば、もう法人契約で困ることはありません!
企業が経験した「困った」フリーランス事例3選

私たちの経験から、特に頻繁に発生する「困った」事例を3つご紹介します。これらの問題は、企業にとって余計な手間やコスト、時にはビジネスチャンスの損失につながることもあります。
1. 「インボイス制度、全然分かってないんだな…」
2023年10月に始まったインボイス制度。企業が消費税を計算する際に、仕入れにかかった消費税を差し引くためには、「適格請求書」が必要です。フリーランスの方からの請求書にインボイスの登録番号が記載されていないと、企業側は消費税を余分に払う可能性が出てきます。
「適格請求書って何ですか?」「どうやって発行すればいいんですか?」といった質問が多いと、企業側は「この人は制度を理解していないな」と感じてしまいます。制度への理解不足は、取引の継続に影響する可能性も否定できません。
2. 「源泉徴収の計算が面倒で仕方ない…」
フリーランスの報酬には、所得税が差し引かれる源泉徴収の対象となるものがあります。源泉徴収は企業側の義務ですが、フリーランスの方の請求書に不備があると、企業側で計算し直したり、確認したりする手間が増えてしまいます。特に、報酬と消費税を分けて記載してくれないと、計算が複雑になり、経理担当者の負担が大きくなることがあります。
3. 「発注書を送っても請求書が送られてこない…!」
これは信じられないかもしれませんが、実際にあった「困った」事例です。仕事はきちんと完了しているのに、いくら待っても請求書が送られてこないケースがあります。企業側は、請求書がないと社内規定上、報酬を支払うことができません。何度も催促が必要になり、支払いサイクルが滞ることで、双方に不満が生まれてしまいます。
これらの「困った」事例は、私たち企業にとって業務の停滞や余計なコスト発生につながり、最悪の場合、顧客からの信頼を失うことにもなりかねません。だからこそ、フリーランスの皆さんに「ここを改善してほしい」と強く願っているのです。
「困った」を「助かった」に変えるフリーランスの行動指針
さて、先ほど挙げた「困った」事例は、フリーランスの皆さんが少し意識を変えるだけで、企業にとっては「本当に助かった!」に変わります。企業が「この人なら安心して任せられる!」と感じるための3つの鉄則をお伝えしましょう。
鉄則1:お金の知識をアップデート!会計・税務の基礎を理解する

インボイス制度や源泉徴収など、会計・税務に関する知識はフリーランスとして活動する上で必須です。
1. インボイス制度で「よく考えている人」になるには
インボイス制度は、企業にとって消費税の仕入れ税額控除に関わる重要な制度です。フリーランスの皆さんも制度を理解し、適切に対応することが信頼につながります。
- 登録していない場合でも伝える工夫 もしあなたがインボイスに登録していない免税事業者であっても、そのことを企業に伝えてみましょう。例えば、「現在、免税事業者であるためインボイス登録はしていませんが、売上が一定額を超えた際には登録を検討いたします」といった伝え方です。 こうすることで、企業はあなたが制度を理解し、自分の事業についてしっかり考えていると安心できます。
- 登録している場合 すでにインボイスに登録しているなら、請求書に登録番号をきちんと記載するだけで大丈夫です。これにより、企業側の経理処理がスムーズになり、お互いの手間が省けます。
まず、インボイスについて学びましょう。以下のリンクも参考にしてみてください。 適格請求書とは?インボイス制度対応請求書の書き方をわかりやすく解説国税庁 インボイス制度特設サイト
2. 源泉徴収の正しい理解と請求書の作成
源泉徴収は、特定の報酬に対して所得税を前もって徴収する制度です。 特に重要なのは、「請求書はあなたが発行する」という点です。
- 源泉徴収されない報酬もある フリーランスの報酬は、必ずしもすべてが源泉徴収の対象となるわけではありません。
- 法人として報酬を受け取る場合: 個人ではなく「株式会社〇〇」や「合同会社△△」といった法人格で仕事を受けている場合、報酬から源泉徴収はされません。
- 「実費」として払ってもらうお金: 交通費、宿泊費、材料費など、クライアントの代わりに立て替えた費用は、あなたの「儲け」ではないため源泉徴収の対象外です。これらの費用は、請求書で報酬と分けて記載しましょう。
- 【重要】請求書に源泉徴収額を明記する 発注書に記載されている報酬金額は、原則として源泉徴収が含まれていない「税抜きの金額」であることがほとんどです。あなたが請求書を出す際には、そこから源泉徴収分(通常10.21%)を引いた金額を請求するのが一般的です。 例:発注書に「報酬10万円」とあったら、請求書には源泉徴収10,210円を引いた「89,790円」で請求することが多いです。 ただし、必ず事前にクライアントに「この仕事の報酬は源泉徴収の対象になりますか?」「報酬から引いて請求すればいいですか?」と確認してください。これがトラブルを避ける一番の方法です。
参考:国税庁 No.2792 源泉徴収の対象となる報酬・料金
鉄則2:こまめな連絡で信頼を築く!スムーズなコミュニケーション術

企業がフリーランスとの取引で最も困るのが、「連絡が取れない」ことです。報・連・相はビジネスの基本中の基本。これを徹底するだけで、あなたの信頼度は格段に上がります。
- 報(報告):仕事の進捗状況を定期的に報告しましょう。「ここまで進んでいます」「この部分は今日中に完了します」など、こまめな報告は企業に安心感を与えます。
- 連(連絡):連絡ツール(メール、チャットなど)を明確にし、返信はできるだけ早く行いましょう。連絡が滞ると、「この人、大丈夫かな?」と不安にさせてしまいます。
- 相(相談):少しでも不安なこと、不明な点、困っていることがあれば、**すぐにクライアントに相談しましょう。**自分で抱え込まずに早めに相談することで、大きな問題になる前に解決策を見つけられます。
特に、「発注書が送られてきたら、すぐに請求書を送る」ことは非常に重要です。企業側には支払いのサイクルがあります。たとえば「毎月20日までに受け取った請求書は、翌月末に支払う」といったルールです。請求書が遅れると、このサイクルに間に合わず、支払いがどんどん遅れてしまいます。
「このフリーランスは、ただ作業をするだけでなく、ビジネス全体を考えてくれるパートナーだ」と感じてもらえれば、あなたの仕事の機会は確実に増えるでしょう。
鉄則3:契約書への健全な理解と適切な対応
「契約書にやたらこだわる」ことで取引が滞るケースを避けるためにも、契約書が持つ意味と、フリーランスとして確認すべきポイントを明確にし、健全な契約関係を築くことが重要です。
- 契約書が持つ意味 口頭での約束は、時間の経過とともに曖昧になったり、解釈が異なったりすることがあります。そのため、報酬の金額、いつまでに納品するか、いつ振り込まれるかといった重要な合意事項を契約書にしっかり残しておくことが非常に重要です。契約書は、万が一の際に「合意内容はこれだ」と示す根拠となります。
- フリーランスとして確認すべきポイント 契約書をすべて隅々まで読むのは大変ですが、以下のポイントは最低限確認しておきましょう。
- 業務の範囲: 「何をするのか」「どこまで行うのか」が具体的に記載されているか。
- 報酬と支払い: 金額、支払期日、消費税の扱い、源泉所得税の有無など。
- 納期と成果物に関する規定: いつまでに何を納品するか、成果物の品質や検収基準。
- その他、不明な点の確認: 契約書の不明な点や疑問点は、遠慮なく企業に質問し、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。
まとめ:法人契約で信頼されるパートナーになるために

いかがでしたか?フリーランスとして法人と契約することは、自分のキャリアを大きく広げるチャンスです。不安なこともあるかもしれませんが、今日お話しした3つの鉄則を実践すれば、自信を持って法人との取引に臨めるようになるはずです。
- 💰 お金のこと(会計・税務)をしっかり理解する! インボイスや源泉徴収の仕組みを理解し、自分の事業を適切に管理しましょう。
- 🤝 こまめな連絡で信頼を築く! 「報・連・相」を徹底し、企業に安心感を与えましょう。特に、請求書は迅速に送付することが重要です。
- 📝 契約書への健全な理解と適切な対応を! 契約書の持つ意味を理解し、重要なポイントは必ず確認するようにしましょう。
常に学び続け、自分のスキルと価値を高める努力を怠らないことが、変化の激しいフリーランス市場で成功し続けるための最も重要な鍵となります。
このコラムを読んで感じたことや、皆さんの経験談をぜひコメントで教えてください!